HFMではスキャルピングが認められています。ただ、短い値幅を狙って取引を繰り返すなら、口座ごとのスプレッドや手数料の違いは気になるところです。
公式サイトに載っている最小スプレッドだけでは、普段どのくらいのコストで取引できるのか、どの程度スプレッドが広がるのかまでは分かりません。そこで、KATANA・Pro・Zeroの実口座でスプレッドを計測し、手数料を含む取引コストと、その変動を比較しました。
実測結果をもとにスキャルピングに適した口座を探り、取引時の制限・禁止事項も確認していきます。
結論:HFMはスキャルピングOK、おすすめはKATANA
HFMでは裁量・EAによるスキャルピングが可能です。実際に短期売買や高頻度の取引も行っていますが、制限は受けていません。禁止されるのは、後述するアービトラージや取引条件を悪用する行為です。
おすすめはKATANA口座
スキャルピングに使う口座を選ぶ際は、次の3点がポイントになります。
- 実質コストが低い:短時間で何度も売買するため、1回あたりの差が回数分だけ積み上がる
- ストップレベルがゼロ:数pipsの利確や損切りが、注文の最小距離ルールで弾かれない
- ロスカット水準が低い:証拠金維持率が下がっても強制決済されにくい
HFMのKATANA口座は取引手数料が無料で、実測では3口座のうち8銘柄中6銘柄で最も低コストの口座で、ストップレベルは0、ロスカット水準も0%で、スキャルピングにおすすめできる条件を満たしています。
口座の詳しい仕様はHFM KATANA口座の実測検証にまとめています。ここからは、Pro・Zeroと比べて取引コストにどのくらい差があるのか、実測結果を見ていきます。
HFMスキャルピングの実質コストを3口座で実測比較
TR-MATEでは、実口座を開き、レート配信を常時記録しています。2026年7月14日〜29日のうち、平日・記録時刻02:00〜22:59を対象に、主要通貨ペア7つとゴールドのスプレッド及びその挙動を比較しました。
比較する3口座と手数料の仕組み
HFMの通常口座は6種類ですが、今回は低コスト型のKATANA・Pro・Zeroに絞って比較しています。
この3口座は手数料の仕組みが違います。
- KATANA:取引手数料は無料
- Pro:取引手数料は無料
- Zero:FXは1ロット往復6ドル、ゴールドは100オンス往復10ドル
Zeroだけスプレッドと別に手数料がかかります。取引コストで口座を選ぶときは、表示スプレッドに往復手数料を加えて比較しましょう。
実質コストは8銘柄中6銘柄でKATANAが最小
表の上段は平均スプレッド、下段のカッコ内は手数料込みの1ロット往復コストです。色付きのセルは各銘柄の最小コストを示します。FXは10万通貨、ゴールドは100オンスで計算し、円クロスは1ドル=162.950461円で換算。ゴールドは1pip=0.1ドル/オンスとしています。スリッページは含みません。
| 銘柄 | KATANA | Pro | Zero |
|---|---|---|---|
| ドル円 | 0.42pips ($2.57) | 1.04pips ($6.40) | 0.22pips ($7.36) |
| ユーロドル | 0.51pips ($5.07) | 0.66pips ($6.55) | 0.00pips ($6.01) |
| ポンドドル | 0.65pips ($6.52) | 0.78pips ($7.83) | 0.10pips ($7.02) |
| 豪ドル 米ドル | 0.70pips ($7.03) | 0.60pips ($6.01) | 0.00pips ($6.01) |
| ユーロ円 | 1.39pips ($8.52) | 1.12pips ($6.84) | 0.32pips ($7.98) |
| ポンド円 | 1.50pips ($9.19) | 1.50pips ($9.21) | 0.61pips ($9.72) |
| 豪ドル円 | 1.29pips ($7.91) | 1.92pips ($11.76) | 1.32pips ($14.13) |
| ゴールド | 0.90pips ($9.04) | 1.56pips ($15.56) | 0.89pips ($18.92) |
Zeroの平均スプレッドは8銘柄のうち7銘柄で最も狭く、ユーロドルと豪ドル米ドルは小数第2位に丸めると0.00pipsです。それでも手数料込みで最安になるのは、豪ドル米ドルだけです。
KATANAは8銘柄中6銘柄で手数料込みの実質コストが最小でした。銘柄によっては他の口座タイプの方がコストが安くなるものの、ほとんどの銘柄で優位な数値となっています。特に、ドル円とゴールドの取引での低コスト環境が欲しいならKATANAが第一候補になります。
HFMのスプレッドの広がり方と取引を避けたいタイミング
前章の実質コストは平均値です。発注時のスプレッドが広がれば、その分だけ取引コストが増えるため、スプレッドが広がる時の特徴も見ておく必要があります。よく取引されるドル円とゴールドに絞って、スプレッドの挙動を分析しました。
口座ごとのドル円とゴールドのスプレッドの広がり方
| 銘柄・口座 | 中央値 | 95%値 | 最大値 |
|---|---|---|---|
| ドル円 KATANA | 0.40pips | 0.60pips | 1.60pips |
| ドル円 Pro | 0.90pips | 1.30pips | 2.20pips |
| ドル円 Zero | 0.10pips | 0.40pips | 4.10pips |
| ゴールド KATANA | 0.90pips | 0.90pips | 4.20pips |
| ゴールド Pro | 1.60pips | 1.60pips | 3.10pips |
| ゴールド Zero | 0.90pips | 1.00pips | 2.50pips |
95%値は、記録した配信レートの95%がこの値以下だった水準です。比較期間・時間帯は前表と同じで、手数料は含みません。
今回のデータでは、口座ごとに次のような特徴が出ました。
- KATANA:平常時は狭い。ただし最大4.20pipsで、3口座のうち拡大幅が最も大きい
- Pro:平常時が0.90pips・1.60pipsと最も広い代わりに、最大値までの伸びが小さく振れにくい
- Zero:平常時はドル円0.10pipsで最も狭いが、最大4.10pipsまで飛ぶ。ゴールドは最大2.50pips
ゴールドのKATANAは中央値も95%値も0.90pipsですが、最大では4.20pipsまで広がりました。今回の記録から、平均スプレッドが狭い口座でも、一時的なコスト拡大は起きると分かります。
そのため、発注時のスプレッドが普段より広ければ、落ち着くまで新規注文を待つのが一つの判断です。
取引を避けたいタイミングは日付切替と重要イベントの前後
日付切替前後はスプレッドの拡大に注意
記録時刻23:00〜00:59(日本時間、翌朝5:00〜6:59)にはスプレッド拡大が目立ちました。例えばZeroでは、ドル円は通常時間の中央値0.10pipsに対し、00:00の中央値は5.5pipsと大きく広がっています。
重要イベントの発表前後は新規注文を慎重に
米CPIや米雇用統計、中央銀行の政策発表前後も、スプレッドの拡大や約定価格の滑りが起こりやすくなります。小さな値幅を狙っても、想定以上のコストがかかったり、予定した価格で損切りできなかったりするため、発表時刻を事前に確認し、前後の取引は慎重に判断しましょう。
HFMでスキャルピングをする際の禁止事項
HFMではスキャルピングが認められていますが、アービトラージや取引条件を悪用した売買は禁止されています。EAを使う場合も同様です。ここでは、禁止されている取引と具体例を紹介します。
価格差や配信の遅れを悪用する取引
別の価格配信とのズレやシステムの遅れを狙うアービトラージ、価格エラーを利用する取引などが該当します。EAで売買する場合も、売買回数だけでなく、どの仕組みで利益を狙うものかを確認してください。
KATANAで注意したい両建てと制度の悪用
KATANAには、専用規約(英語名InfinityX)があります。特に次の行為は注意しましょう。
- 複数口座・他社間の両建て:HFM内の別口座や他社口座を使い、反対方向のポジションを組み合わせる
- 重要イベント時の片側決済:両建ての片側をイベント直前や最中に閉じる
- オールインや制度の悪用:資金をほぼ全額投入する、意図的にロスカットへ到達させる、ゼロカットなどから利益を得ようとする
同じ口座内の両建てで必要証拠金がゼロになる仕様はありますが、両建て証拠金ゼロは、どのような両建て手法も認めるという意味ではありません。関連口座や第三者と協調してリスクを消す取引も、禁止事項に含まれます。
規約違反と判断された場合は、利益の無効化や口座の停止・閉鎖などの対象になります。
スキャルピングを始める前に確認したい2つのこと
取引を始める前に、KATANAのレバレッジ適用枠と、利用口座に合ったEA設定を確認しましょう。
無制限レバレッジの枠と一時制限を確認する
FXと貴金属では、無制限レバレッジの基本枠はそれぞれ5ロットです。FX通貨ペアごとに5ロットではなく、FXの同時保有分を合計して考えます。枠を超えた分には通常のダイナミックレバレッジが適用されます(専用規約2.7)。
KATANAでは、経済指標発表の5分前〜15分後と、サーバー時間00:00を挟む前後1時間に建てる新規ポジションは、無制限レバレッジの対象外です。複数銘柄を同時に売買するEAでは、合計ロットと発注時の必要証拠金を確認してください。
EAの銘柄名・スプレッド上限・手数料を合わせる
KATANAの銘柄名にはUSDJPYx・XAUUSDxのように「x」が付きます。EAの対象銘柄を固定している場合は、口座に合う名称へ設定します。取引画面に表示される銘柄名を使ってください。
- 対象銘柄:サフィックスを含め、口座の銘柄名と一致させる
- スプレッド上限:EAがpipsとpointsのどちらで入力する仕様か確認する
- 収支計算:Zeroでは往復手数料を含め、過去検証と実取引の条件を合わせる
設定後は、注文記録で想定ロット・手数料・約定価格が合っているか確認すると、設定ミスと口座の違いを切り分けやすくなります。
HFMのスキャルピングでよくある質問
まとめ:取引銘柄と往復コストで口座を選ぶ
今回の3口座の実測比較では、ドル円・ゴールドのスキャルピングは、手数料込みで低コストだったKATANAが第一候補です。ユーロ円ならPro、豪ドル米ドルならPro・Zeroも比較対象になります。
- 口座選び:実測コストと用意できる資金で選ぶ
- 注文前:今のスプレッド、必要証拠金、合計ロットを確認する
- 取引手法:通常の短期売買と、両建て・制度悪用などの禁止行為を区別する
KATANAの条件はKATANA口座の実測検証、ほかの口座との違いはHFMの全口座比較で確認できます。取引を始める前に、利用口座の公式規約も確認しておきましょう。

