ロットは「どれだけ売買するか」を表し、pip(ピップ)は「価格がどれだけ動いたか」を表します。
たとえば、ドル円を1万通貨(1万ドル)買って10pips上がると、利益は1,000円です。この計算が分かると、注文画面の数字から「どれくらい利益や損失が出る取引なのか」をイメージできるようになります。
この記事では、ロットとpipsの基本から、ドル円・ユーロドルの損益計算、ゴールド(XAUUSD)の1ロットまで順番に解説します。
海外FXの1ロットは基本10万通貨|0.1・0.01ロットとの関係
ロットは、通貨を売買するときの数量の単位です。海外FXの標準的な口座では、1ロット=10万通貨に設定されていることが多くなっています。
ここでいう「1通貨」は、米ドルなら1ドル、ユーロなら1ユーロのことです。つまり、1ロットは取引する通貨によって10万ドルや10万ユーロになります。
たとえば、ドル円(USDJPY)の1ロットは10万米ドル、ユーロドル(EURUSD)の1ロットは10万ユーロです。通貨ペア名の左側にある通貨を、何通貨分売買するかと考えると分かりやすくなります。
代表銘柄の1ロットの数量一覧
| 代表銘柄 | 1ロットの数量 |
|---|---|
| ドル円 USDJPY | 10万米ドル |
| ユーロ円 EURJPY | 10万ユーロ |
| ポンド円 GBPJPY | 10万英ポンド |
| ユーロドル EURUSD | 10万ユーロ |
| ポンドドル GBPUSD | 10万英ポンド |
| 豪ドル米ドル AUDUSD | 10万豪ドル |
| ゴールド XAUUSD | 100トロイオンス |
| シルバー XAGUSD | 5,000トロイオンス |
| WTI原油 先物 | 100バレル |
| ブレント原油 先物 | 100バレル |
| 日経225 現物 | 1指数単位 指数値 × 1円相当 |
| NYダウ 現物 | 1指数単位 指数値 × 1米ドル相当 |
| NASDAQ100 現物 | 1指数単位 指数値 × 1米ドル相当 |
| ビットコイン BTCUSD | 1BTC |
| イーサリアム ETHUSD | 1ETH |
※XMTradingの仕様例。契約サイズは業者・口座によって異なります。
0.1ロットは1万通貨、0.01ロットは1,000通貨
1ロットより小さい数量でも取引できます。0.1ロットは10分の1、0.01ロットは100分の1の量です
ドル円なら0.1ロットは1万米ドル、0.01ロットは1,000米ドルです。ユーロドルなら、それぞれ1万ユーロ、1,000ユーロになります。
「0.1ロット」という数字だけを見ると少なく感じますが、ドル円では1万米ドル分の取引です。この数量に値動きの幅を掛けると、利益や損失が求められます。
マイクロ口座などは1ロットの数量が違う
少額取引用の口座では、1ロットを小さく設定していることがあります。たとえばXMのマイクロ口座は1ロット=1,000通貨なので、0.1ロットは100通貨です。標準的な10万通貨の口座と比べると、同じロット数でも取引量は100分の1になります。
この「1ロット当たりの数量」を契約サイズと呼びます。口座を変えるときは、契約サイズも確認しましょう。MT5では、気配値表示で銘柄の「仕様」を開くと確認できます。
出典:XMTrading「口座ごとの取引数量」|MetaTrader 5「銘柄の仕様」
ゴールドの口座ごとの取引量や必要証拠金は、ゴールドの1ロットと証拠金の解説をご覧ください。
1pipとは?ドル円は0.01円、ユーロドルは0.0001ドル
pipは、価格の変化を表す単位です。複数形のpipsは「ピップス」と読みます。「10pips上がった」といえば、価格が1pipの10倍だけ上昇したという意味です。
ドル円が150.00円から150.10円へ上がれば10pips、151.00円まで上がれば100pipsです。ユーロドルは1.1000から1.1010へ上がると10pipsになります。
取引画面では、ドル円が150.001のように、さらに細かい桁まで表示されることもあります。この最後の0.001円は0.1pipです。表示されている最後の桁が、そのまま1pipとは限りません。
FX代表銘柄の1pipの値幅・損益一覧
損益幅は、1ロットの数量一覧にある取引量で、価格が1pip動いたときの金額です。
| 代表銘柄 | 1pipの値幅 | 1ロットの 損益幅 |
|---|---|---|
| ドル円 USDJPY | 0.01円 | 1,000円 |
| ユーロ円 EURJPY | 0.01円 | 1,000円 |
| ポンド円 GBPJPY | 0.01円 | 1,000円 |
| ユーロドル EURUSD | 0.0001米ドル | 10米ドル |
| ポンドドル GBPUSD | 0.0001米ドル | 10米ドル |
| 豪ドル米ドル AUDUSD | 0.0001米ドル | 10米ドル |
0.1ロットなら表の損益幅の10分の1、0.01ロットなら100分の1です。米ドルで求まる損益を円で知りたい場合は、円に換算します。たとえば10米ドルは、1米ドル=150円なら1,500円です。
CFDの値幅と1ロットあたりの損益一覧
ゴールドや原油なども、「数量 × 値動きの幅」で損益を計算できます。代表的なCFDを同じ形で見てみましょう。
| 代表銘柄 | 値動きの幅 | 損益幅 (1ロット) |
|---|---|---|
| ゴールド XAUUSD | 0.1米ドル (1pip換算) | 10米ドル |
| シルバー XAGUSD | 0.01米ドル | 50米ドル |
| WTI原油 先物 | 0.01米ドル | 1米ドル |
| ブレント原油 先物 | 0.01米ドル | 1米ドル |
| 日経225 現物 | 1円 (1ポイント) | 1円 |
| NYダウ 現物 | 1米ドル (1ポイント) | 1米ドル |
| NASDAQ100 現物 | 1米ドル (1ポイント) | 1米ドル |
| ビットコイン BTCUSD | 1米ドル | 1米ドル |
| イーサリアム ETHUSD | 1米ドル | 1米ドル |
※CFDのpipsの数え方は業者・ツールで異なるため、計算に使った値幅を表示しています。
ゴールドのpipsについて、ゴールドのpips計算方法で詳しく解説しています。シルバーや原油等の銘柄ごとの取引の基本は、銀CFDの取引ガイドと原油CFDの取引ガイドで確認できます。
ロットとpipsから損益を計算する方法
損益の基本は、取引数量 × 値動きの幅です。ここからは1ロット=10万通貨として、ドル円とユーロドルを0.1ロット取引する例で見ていきます。計算するのは売買価格の差による損益で、別途の取引手数料やスワップは含めません。
ドル円0.1ロットなら、10pipsで1,000円
ドル円0.1ロットの数量は1万米ドルです。10pipsは0.10円なので、1万米ドルに0.10円を掛けると1,000円になります。買いと売りでは利益になる方向が逆ですが、同じ数量・同じ値幅なら損益の大きさは同じです。
買いから入る場合|150.00円→150.10円
1万米ドルを150.00円で買い、150.10円で売って取引を終えるとします。1米ドルにつき0.10円高く売れるので、計算は次のとおりです。
10,000米ドル ×(150.10円 − 150.00円)=1,000円の利益
反対に149.90円まで下がって売れば、1,000円の損失です。このように、反対の売買をして取引を終えることを「決済」と呼びます。
売りから入る場合|150.00円→149.90円
売りから始めた場合は、高く売って安く買い戻すと利益になります。1万米ドルを150.00円で売り、149.90円で買い戻した場合も、差額は0.10円です。
10,000米ドル ×(150.00円 − 149.90円)=1,000円の利益
買いでは値上がり、売りでは値下がりが利益になる、と整理すると分かりやすくなります。売った後に150.10円へ上がれば、今度は1,000円の損失です。
ロットを10倍にすると、利益も損失も10倍
同じドル円の値動きでも、注文するロット数によって損益は変わります。1pipと10pips動いた場合を、ロット別に比べてみましょう。
| 取引量 | 1pipの損益幅 | 10pipsの損益幅 |
|---|---|---|
| 0.01ロット 1,000ドル | 10円 | 100円 |
| 0.1ロット 1万ドル | 100円 | 1,000円 |
| 1ロット 10万ドル | 1,000円 | 10,000円 |
0.01ロットでは100円だった10pipsの値動きが、1ロットでは1万円になります。ロットを増やすと、利益だけでなく損失も同じ割合で大きくなります。注文量を決めるときは、「何pips逆に動いたら、いくら失うか」まで金額に直して考えましょう。
取引金額・必要証拠金・損益はそれぞれ違う
「0.1ロットは1万通貨」と分かると、次は「1万米ドル分のお金を入金する必要があるの?」と疑問に思うかもしれません。FXでは、取引金額の一部を証拠金として預けるため、売買する金額と口座に必要な資金は異なります。
ドル円0.1ロットをレバレッジ100倍で取引する例
ドル円を150円、0.1ロット=1万米ドルとして、取引金額と必要証拠金を分けてみます。
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 取引金額 | 1万米ドル × 150円 | 150万円 |
| 必要証拠金 | 150万円 ÷ 100倍 | 15,000円 |
| 10pipsの損益幅 | 1万米ドル × 0.10円 | 1,000円 |
150万円相当を売買するために必要な証拠金は15,000円で、その取引で10pips動くと損益が1,000円変わります。必要証拠金は取引の担保であり、損失の上限ではありません。
レバレッジを変えても、同じロットなら損益は同じ
上の例でレバレッジを100倍から1,000倍にすると、必要証拠金は15,000円から1,500円へ下がります。それでも数量は1万米ドルのままなので、10pipsの損益幅は1,000円で変わりません。
資金とレバレッジから取引量を試算する場合は、ロット計算機が使えます。ただし、証拠金で持てる数量を、そのまま注文する必要はありません。先ほどの損益計算も使い、想定する損切り幅でいくら失うかを確認してから、ロットを決めましょう。





